2020年10月号
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防ごう!脂質異常症
脂質異常症とは、血液中の脂肪分(コレステロールや中性脂肪)が多すぎる、または少なすぎる状態を指します。
以前は高脂血症と呼ばれていましたが、2007年に日本動脈硬化学会が診断名を脂質異常症に改定しました。
動脈硬化から危険な疾患へ
脂質異常症の状態を放置していると、動脈硬化が起こり、心筋梗塞や脳梗塞などの命に関わる疾患につながることがあります。中性脂肪やLDLコレステロール(悪玉)が高く、HDLコレステロール(善玉)が低いほど、動脈硬化が進みやすくなります。
女性は男性に比べて、エストロゲンというホルモンの影響で脂質異常症は少ないですが、閉経を迎える50歳前後から増加します。また、生活習慣とは関係なく遺伝的にLDLコレステロール値が高い場合があり(家族性高コレステロール血症)、この場合は若いうちから動脈硬化が進みます。健診等で異常を指摘された場合、年齢に関係なく医師にご相談ください。
脂質異常症診断基準(空腹時採血)
予防のための生活習慣
◆運動
運動不足は、中性脂肪の上昇・HDLコレステロールの低下(血圧上昇・肥満)などの原因となります。1日合計30分以上の有酸素運動(ウォーキング・水泳など)を週3回以上実施しましょう※。ややきつい程度(中強度)にすると安全で効果的です。また、日々の身体活動を増加させることも有用です。
※慣れない運動をすると筋肉や骨を痛める危険があります。また、動脈硬化の危険がある人や高齢者は主治医に相談して適切な運動を選択しましょう。
◆食事
中性脂肪が高い場合、食事のとりすぎかもしれません。1日の総摂取エネルギー量が適切になるように調整しましょう。LDLコレステロール値が高い人は、食事のコレステロール摂取量とともに飽和脂肪酸※の摂取量を減らすことで数値の低下が期待できます。
※飽和脂肪酸:肉類の脂身や乳製品の脂肪に多く含まれる脂肪酸の一種。摂りすぎるとLDLコレステロールが増え、動脈硬化を進める作用があります。
◆喫煙
たばこは動脈硬化のリスク因子です。喫煙の習慣がある人は禁煙に取り組み、喫煙しない人は受動喫煙を回避しましょう。
(ヘルチェック川崎センター センター長:吉田 純子)
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主菜レンジで簡単!
蒸し鶏のねぎソースかけ
鶏むね肉は、低脂肪で高タンパクの食材です。今月はレンジで簡単に作れる蒸し鶏をご紹介します。今回は皮を外しさらに脂質をカットしていますが、砂糖や塩をすりこむことで柔らかくなり肉がパサつくのを防いでジューシーに仕上がります。ねぎソースを合わせさらにしっとり食べやすくしています。
1人分:エネルギー202kcal
- たんぱく質 30.3g
- 炭水化物 7.1g
- 脂質 4.3g
- 食塩 1.6g
材料(2人分)
- 鶏むね肉(皮なし) 1枚(約240g)
- A 砂糖 小さじ1/2
- A 塩 小さじ1/3
- A こしょう 少々
- 酒 大さじ1
<ねぎソース用>
- 白ねぎ 1/2本
- 穀物酢 大さじ1
- 砂糖 小さじ1
- 醤油 小さじ2
- ごま油 小さじ1
<付け合せ用>
- レタス 適量
- ミニトマト 4個
作り方
- 鶏むね肉の両面にフォークで穴をあける。Aをすりこみ、下味をつける。
- 鶏むね肉を耐熱容器に入れる。酒を全体に回しかけ、ラップをふんわりかけたら500Wで3分加熱する。ひっくり返してさらに3分加熱し、5分そのまま蒸らす。竹串を刺し赤い汁が出ないか確認する。
※加熱時間はレンジのワット数に合わせて要調整 - 穀物酢、醤油、砂糖をよく混ぜ、ごま油を加え混ぜた後、みじん切りにした白ねぎを入れる。レタスは一口大に手でちぎる。ミニトマトはへたを取って半分に切っておく。
- 鶏むね肉を食べやすい厚さにそぎ切りにし皿に並べ、ねぎソースをかける。レタス、ミニトマトを飾る。
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