2025年
10月号
Theme of this month
飲酒とがん予防について
飲酒はその伝統と文化が国民生活に深く浸透している一方で、
不適切な飲酒は健康障害などにつながるため、
正確な情報を理解した上での飲酒が求められます。
飲酒とがんのリスクの関係
厚生労働省は2024年に「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を策定・公表し、『飲酒はがんの原因の一つであり、特に口腔、咽喉頭、食道、大腸、肝臓、乳房などのがんのリスクを高める』としています。飲酒と喫煙を併用すると、さらにリスクは上昇することが知られており、日本では節度ある適度な飲酒量として1日当たり純アルコール20g程度(ビール中瓶1本相当)を目安としていますが、それでもがんのリスクはゼロではないと明記されています。
飲酒によるがんの原因として、体内でアルコールが分解される過程で生成されるアセトアルデヒドが指摘されており、遺伝的に分解酵素が弱い人(東アジア人に多い)はよりリスクが高いとされています。
他にもガイドラインでは、生活習慣病や依存症等への影響、法律違反・事故など行動面のリスク、飲酒を避けるべき状態(妊娠中・授乳中)についても解説されています。
飲酒習慣を見直そう
一方、WHO(世界保健機関)は2023年に「The LancetPublicHealth」誌上で『健康にとって安全な飲酒量は存在しない』と発表しました。アルコールは国際がん研究機関(IARC)によりグループ1の発がん物質(ヒトに対して発がん性あり)と分類され、世界では年間7万人以上がアルコールに関連するがんで死亡しているとされています。WHOは少量の飲酒であってもがんリスクを高めるとして、すべての人に節酒・禁酒を呼びかけています。
両者に共通する点は、少量であってもがんのリスクがある点、飲酒量が少ないほどリスクが低下する点です。従来の適量なら健康に良いという認識は見直されつつあり、現在では健康維持のためには飲酒を控える、またはやめることが推奨される方向にあります。特にがん予防の観点からは、禁酒がより効果的とする意見が強調されています。
現在、様々な形で新たな飲酒習慣への取り組みや、飲酒に関する情報が発信されています。より正確な情報に基づいた飲酒習慣のご検討をお願いいたします。
(横浜東口センター医師:中下学)
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主食
胃腸にやさしい
かぶとさば缶の
トマトリゾット
夏の間の疲れが出始める10月、旬を迎えたかぶのリゾットはいかがでしょうか。
かぶの旬は春と秋の2回ありますが、秋物は甘味が強いので加熱して召し上がるのがおすすめです。
豊富に含まれる消化酵素のアミラーゼが、胸やけや胃もたれを予防し、疲れた胃腸をいたわります。
電子レンジで手軽にできるので、夜遅くなった時の食事としてもおすすめです。
1人分:エネルギー 158kcal
- たんぱく質 24.1g
- 炭水化物 44.7g
- 脂質 11.0g
- 塩分 1.6g
材料(2人分)
- さば水煮缶詰 1缶 (190g)
- 米飯 200g
- かぶ (葉付き) 中1個
- トマトジュース (無塩) 200ml
- コンソメ 小さじ1 (5g)
- こしょう 少々
- 粉チーズ 小さじ1
作り方
- かぶを洗い、皮をむいてサイコロ状に切る。耐熱容器に入れラップをかけ、電子レンジで4分加熱する。
- かぶの葉と茎を洗い小口切りにする。ラップで包み、電子レンジで2分加熱する。
- (2)に、さば缶(汁ごと)、トマトジュース、コンソメ、こしょう、米飯を入れ、軽く混ぜる。ラップをかけて電子レンジで7分加熱し、5分蒸らす。
- お皿に盛り付け、上から(2)を散らし、粉チーズを振りかける
※ 500Wの電子レンジ使用
※ かぶがない時は大根でも代用できます。
健診に関するご不明点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。